生物の体を構成する臓器は、みな生存に必要な何らかの機能に特化しています。その機能は、各臓器特有の組織構造に分化細胞が適切に配置されることで獲得されます。このような臓器の機能的な形態、細胞能力は発生過程で構築され、特に発生後期~生後初期における臓器の成熟過程は固有の生理機能獲得に重要な時期です。そのため発生過程の臓器形成異常は、疾患と密接に関わっています。一方、生後の体は常に外環境に晒され、組織は頻繁に損傷を受けます。これに対し、人間の臓器も不完全ながら修復・再生能力を持っており、そのメカニズムも徐々に解明されつつあります。私たちは呼吸器の形態形成と、成体における修復・再生現象を題材にして組織形態が幹細胞ニッチ形成に与える影響、発生・再生過程での細胞増殖・分化制御の詳細な機構に注目した研究を行っています。
1. 呼吸器の組織形成、再生現象の分子機構の解明
2. 組織形態が幹細胞に与える影響の解明
3 . 細胞の増殖率と形態変化が管腔組織の形態へ与える影響の解析