竹市は京大の岡田研に戻り、カルシウム依存的な細胞接着分子の同定するために、細胞間接着を阻害する抗体の作成を試みました。当時、テラトカシノーマ・F9細胞に対する抗体が8細胞期のマウス胚のコンパクションを阻害することが報告されました(Kemler et al., 1977)。この現象と自分が見ている細胞間接着の現象は似ていると直感した竹市は、F9細胞のポリクローナル抗体を作成し、それが細胞接着を阻害できることを発見しました(Yoshida-Noro and Takeichi, 1982)。さらに、細胞接着を阻害できるモノクロナール抗体のクローニングに成功しました(Yoshida-Noro et al., 1984)。